いらっしゃいませ。

こんにちは。

当ブログ管理人、千葉県八千代市で「個別学習ヴァージャー」という塾をしているうかる~る・岡本と申します。 ここでのブログはまだ始めてから短いですが、少しずつ充実させていきたいなと思っております。学習塾の塾長をしておりますが、教育の話はほどほど(?)で、日々のうたかたをお気楽かつ皮肉交じり?に綴っております。一部の個人情報を除いては「ほぼノンフィクション」になっております。ブログがリアルへの架け橋になればいいなと思っております。どうぞよろしく。 For Non Japanese readers. Thank you very much for visiting my weblog.I am very happy to be visited. If you have time,please leave your comment.(^^) Ciao!

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2009/06/12

Chapter・3:鴻鵠の志~鍋を火にかけながら

 鴻鵠の志は大きな風呂敷にも包みきれないほどにあった私であるが、広告の資は不如意であったので、教室を開く前におよそ五十通ほどダイレクトメールを出しただけであった。いわゆるチラシの反応率は「せんみつ」であることを、私は過去の生業を通じて一身に刷り込まれていた。B29の東京大空襲に対抗出来得るほどの物量作戦をチラシ広告において展開すれば、私のエリアにある同業他社を一面焼け野原のように出来るのであろうが、そんなことを仮に実施していたら自身の閑古鳥が啼いている塾こそが真っ先に黒焦げになるであろうことは、まさに火を見るよりも明らかであったので、坂道を手放しで自転車に乗る程度に無謀な私でも行動には移さなかった。
 幸か不幸かダイレクトメールの効果は、私の想定の範囲をガリバーがひょいと跨いだようだった。これも新し物好きの日本人の習性に助けられたおかげであろうか。はたまた従前に勤しんできた私に対する季節外れのお年玉であったのかはわからない。ただ、新聞配達やコンビニで働く必然性から、我が身を解放してくれたことには望外の喜びを禁じ得なかった。私はようやく鍋を火にかけたのである。
 鍋に火をかけた私であったが、具材はまだほとんど揃ってはいない。味付けをするための調味料くらいはあるのだが、いったいこれからどのような鍋を作れば良いのだろう。素うどんにしたってうどんは入っている。ただ、沸々と仄かに色づいてきた鍋を見つめていると、匂いだけは美味そうな感じがする。もちろんこれは手前味噌に相違ないのだが、空腹は最上のソースということで見逃してもらいたい。
 

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