最近読んだ随筆から・・・・・

こんな感じのものや、

　（以下引用です）

どの国においても、墓地は美しい。東京の墓地も例に漏れない。しかし、私の見た限りでは、ほかの国では見られない特色がいくつかある。第一は、花の季節になると町中でもっとも賑やかな場所となることである。まるで盛り場。死者と生者が交流して花を楽しんでいる、といった感じである。（"谷中、花と墓地"より）



こんな感じのものもある。

（以下引用です）

名前がなかなかふるっていた。「マダ」と言う。まだ居るのかな、と家人の誰かが毎朝縁の下を覗き見る。先生が「まだか？」つまりまだ居るのかとお尋ねになる。「まだだよ」そんなやるとりがしばらく続いて、ようやく川端家の一員と認められたとき、「マダ」と命名されたということである。（"川端家のマダ"より）




最近読んだ随筆の中では珠玉のものであった。


日本人よりも日本的なるものを味得したアメリカ人による34篇の随筆を読んで、
私は今更ながらであるが、この方が世を去ったことをとても寂しく、残念に感じる。